忘れられない“大人の恋”セリフで振り返るTVドラマ「昼顔」

許されぬ恋をしたことがある人も、そんな恋愛にあこがれを抱いたことすらない人も、日本全国の視聴者を惹き付けたTVドラマ「昼顔」の魔力はなんと言ってもセリフにある。 例えば、「妄想の中の私は、信じられないほど奔放で、自由でした」という紗和のモノローグ。あるいは「触ってみないと、相手のことわからないじゃないですか」という北野の言葉。恋愛は他者と出会うこと。紗和にとってそれは、自身の中に潜んでいた“もうひとりの自分”に出会うことでもあったことがこのモノローグからよくわかる。そして北野の言葉は昆虫の研究にのめり込んでいる彼ならではの発言だが、出会いの一歩先にある“現実”に踏みだす者のまっさらな気持ちが表れている。 妄想のままで留めておいたほうがいいこともある。でも、禁じられていることに、人は時に踏みだしてしまう。そんなどうにもならない〝人の性〟を、この作品は様々な角度から浮かび上がらせている。 紗和も北野も決して特別な存在ではない。誰もが紗和になる可能性があるし、北野になる時だってある。そんな“他人事では済まされない”物語の行方に魅了された。だから、老若男女が夢中になったのである。

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